新型コロナウィルスの影響が各所に広がる昨今。

あまりお出かけしていただくものを紹介するのも憚られるし…と悩んだ挙げ句、ネットで話題になっているあるもの作りに、挑戦レポしてみることにしました。

あるものとは、ずばり…(そ)。

蘇は、言うなれば「飛鳥時代のチーズ」。

飛鳥時代には奈良で酪農が始まり、の作り方も伝来。7世紀末の藤原京の時代には天香具山の南で、飛鳥最大の蘇が作られた記録があるそうです。

平安中期の『延喜式』などにはその簡単な製造方法も記されているものの、日本での乳製品の食文化が途絶えてしまったため、謎に包まれた古代ミステリー的な食べ物とされていました。

仏教では、乳を精製する五段階の過程を「五味」と言い、「乳→酪→生酥→熟酥→醍醐」の順に上質で美味とされ、「醍醐のような最上の教え」ということで生まれた「醍醐味」という言葉が、今のように使われるようになったと言います。(※蘇と酥は別のものとする説もあるそうです)

学生時代にこの話を聞いた時に、「醍醐味」と呼ばれるほどの「蘇」とは、どんな味だったのだろうと興味津々でした。

そんな記憶が、まさか令和の時代になって呼び起こされるとは!!

 

ブームの発端は、コロナによる突然の休校と、給食用の牛乳が大量に余るという報道から。

家にいる時間と牛乳がたっぷり余りある今こそ、古代の蘇を作ってみようという挑戦がSNSで話題になり、一躍蘇ブームが巻き怒り、レシピや作ってみたレポがたくさん上がるようになりました。

それらを参考に、蘇チャレンジのスタート。

先の『延喜式』には、「蘇を作る方法は、乳を一斗煎じて、一升の蘇が得られる」と記されているそうで、多くが牛乳をひたすら煮詰めて固形物にする根気強さを要する作り方になっていました。

牛乳2リットルで始めるレシピもありましたが、さすがに根気に自信がなかったので、1リットルをフライパンに入れ、中火にかけました。

最初沸騰するまではそのまま置いていたら、底が少し焦げ付いてしまいました。濾してやり直そうかと思ったのですが、最終的には固形物になるからいいかと思い、続行。

それからは、底や縁をこまめにこそぐように、ひたすら混ぜながら煮詰めていきます。

全体が少し黄色っぽくなってきましたが、まだまだシャバシャバです。これは本当に固形物になるんだろうかと思いながら混ぜ続けます。

左手に持ったスマホで動画を見ながら、右手で混ぜていると、意外とあまり苦になりませんでした。

1時間を過ぎたくらいからやっととろみがついて、鍋底にヘラの跡が残るくらいになってきました。広島の人にわかりやすく言うと、お好み焼きの生地のタネくらいの感じです。ブツブツに見えるのは、最初に焦げ付かせた固形物のせいです。

それからさらに10分くらいするとホットケーキの生地くらいに。

ここからが急展開で、一気に固形物になっていきました。

慌てて弱火にして、ひとまとめにしていきます。スコーンの生地くらいの固さです。

これをラップにくるんで、冷蔵庫で冷やして固めたら完成です。

冷蔵庫に入れる前に重さを計ってみました。写真ではうまく撮れていませんでしたが、160gでした。

牛乳1リットルの重さが約1030gなので、約15%に凝縮されたということですね。

そして出来上がったものがこちら! ジャーン!!

見た目は卵焼きか蒲鉾みたいですね。

スライスしていただいてみると…甘い!!

牛乳だけでこんなに甘みが凝縮されるとは驚きです。

ちょっとざっくりとした食感で、まさにミルクが濃縮した香りがして、濃厚な味わい

……しかし、不味くはないが美味くもない、というのが正直な感想(笑)。

美味しいものにあふれた現在だから、うーんという感じですが、タンパク源の少なかった、乳製品なんてごく一部の高貴な人の口にしか入らなかった高級品だったであろう昔を思うと、どれほど滋味溢れた食物だったのかと感じます。

このままでは、やや食べづらいので、ネットに紹介されていたアレンジを加えてみました。

左からハチミツがけ、塩コショウ、バケットに乗せてトーストです。

チーズと違って焼いてもとけないことがわかりました。

塩、コショウはちょっとおつまみ感覚。オリーブオイルもかけてワインのおつまみになるというコメントもありました。

個人的には一番美味しかったのは、ハチミツでした。チーズケーキ風になる、というコメントもありましたね。

…が、なにせ濃厚なので、すぐに胸が一杯になって、量が食べられません。

500mlで作ればよかったなと思いつつ、マガジンの会議にも持参してスタッフにも試食してもらうことにしました。

 

みんなの反応は…「美味しい」「クラッカーとハチミツでスイーツみたい」「ワインにも合いそう」と意外と高評価!!

でも、牛乳が苦手な人にはやはり少しキツそうなので、そうでない人で興味がある人は、ぜひ挑戦してみてください。

 


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